次亜塩素酸水とは?

除菌や消臭、ウイルス対策として注目を集めている次亜塩素酸水ですが、様々な情報があり中には誤ったものも多く存在します。

そこで効果の理由や次亜塩素酸ナトリウムとの違い、保存方法など正しい知識を持って使用していただけるよう、以下の内容で解説していきます。

 

次亜塩素酸水の定義

厚生労働省より、次亜塩素酸水の定義は「塩酸又は塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液である」とされています。

要約すると塩酸か食塩を加えた水を電気分解することで生成できるお水です。 最近、次亜塩素酸水をうたう商材が増えてきていますが次亜塩素酸水として認められているのは、正しい製造方法で電気分解をして生成したものだけです!

 

次亜塩素酸水の特徴

  1. 低い有効塩素濃度でも除菌力が高い

    主な除菌成分の「次亜塩素酸」は、低い有効塩素濃度でも高い除菌力があります。 様々なウイルス、細菌に対して効果があるとされており、次亜塩素酸ナトリウムと比べると同じ濃度の場合、約80倍の除菌力があるとされています。

  2. 食品添加物として認可されている

    残留性が低いので、食品の洗浄にも使用することができます。 厚生労働省の行った検証では、野菜を10分間次亜塩素酸水に浸しても、残留塩素が検出されませんでした。

  3. 安全性が高い

    有機物に触れると水に戻る特性があり、残留性がなく安全で環境負荷もありません。 また、手肌など皮膚についても安全で、手荒れの心配が少なく、うがいにも使用できます。

 

次亜塩素酸水はウイルス対策にも有効

1.効果の理由

次亜塩素酸水は様々なウイルス対策に有効とされています。 これらはウイルスの構造が関係しています。
ウイルスは「エンベロープのあるウイルス」と「エンベロープのないウイルス」に分けられます。

エンベロープとは、脂肪・タンパク質・糖タンパク質からできている膜のことで、インフルエンザウイルスや、現在流行している新型コロナウイルスもエンベロープを持つウイルスです。 またエンベロープを持たないウイルスをノンエンベロープと呼び、アデノウイルス・ノロウイルスがこれに該当します。 エンベロープとノンエベロープのウイルス 消毒に使用されるアルコール類はエンベロープウイルスには効果がありますが、ノンエンべロープウイルスにはあまり効果が期待できないとされています。
しかし次亜塩素酸はエンベロープウイルス、ノンエンべロープウイルスどちらにも効果があるとされています。
様々なウイルスに効果があるのはしっかりとしたエビデンスがあります。

2.新型コロナにも有効

6月末に経済産業省より、新型コロナに対する次亜塩素酸水の有効性が確認されました。 有効である条件として、pH6.5以下で有効塩素濃度35ppm以上とされました。

 

次亜塩素酸水の種類

次亜塩素酸水は、
・強酸性次亜塩素酸水
・弱酸性次亜塩素酸水
・微酸性次亜塩素酸水
の3種類が存在します。

主な違いはpH(水素イオン濃度指数)と有効塩素濃度、電気分解の構造がそれぞれ違います。
どの種類の次亜塩素酸水も、除菌効果は認められておりそれほど大きな違いはありません。
こちらについては、厚生労働省より資料も発行されています。
次亜塩素酸水についての資料はこちら
簡単にそれぞれの違いを表にまとめたのでご覧ください。

強酸性
次亜塩素酸水
弱酸性
次亜塩素酸水
微酸性
次亜塩素酸水
pH(水素イオン濃度指数)2.3~2.72.7~5.05.0~6.5
有効塩素濃度20~60ppm10~60ppm10~80ppm
電気分解の方式2室型電解システム
3室型電解システム
2室型電解システム
3室型電解システム
無隔膜(1室型)電解システム
生成できるお水複数複数1種類のみ

弊社の器械(ビーファインシリーズ)で生成が可能なのは、強酸性次亜塩素酸水です。
2室型電解システムを採用しており、電解槽を1枚の隔膜(イオン交換膜)で2つの部屋に分け、それぞれの部屋にプラス電極とマイナス電極を入れて電気分解します。

プラス電極とマイナス電極で引き寄せられる物質が変わることで、強酸性次亜塩素酸水や還元水素水など5種類のお水を生成することが可能となっています。

 

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違い

皆様はこの2つの違いについてご存知ですか?
名前が似ていてよく同じものと間違われますが、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いについては、安全に使用するためにもよく理解をしておく必要があります。 以下の表に簡単な違いをまとめて見ました。

強酸性水(次亜塩素酸水)次亜塩素酸ナトリウム
性質酸性アルカリ性
使い方原液でOK希釈して使用する
安全性口や肌に使用してもOK手荒れの原因、口に含めない
効果即効性があるじわじわ持続する
食品の洗浄OKNG

上記の表をみていただくとわかりますが、この2つは性質や使い方、安全性などの違いがあります。
次亜塩素酸水は「安全性」「即効性」「調整せずに原液で使える」ということが次亜塩素酸ナトリウムと比較した場合優れています。

こちらについては、厚生労働省より資料も発行されています。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料はこちら

 

次亜塩素酸水の保存方法

次亜塩素酸水は、残留性が低く安全ですが、その反面使用期限に注意が必要です。 温度の上昇や直射日光に弱く、保存方法によって大きく使用期限が変わってきます。 弊社では、直射日光の当たる場所でどのように有効塩素濃度が推移するか検証しました。

強酸性水(次亜塩素酸水)耐久テスト10日間

強酸性水(次亜塩素酸水)耐久テスト30日間

 

結果は動画でも紹介していますが、保存に適した条件は冷暗所で18℃以下がオススメです!

あまりに温度が低い冷蔵庫などで保存すると殺菌活性が低下するのでご注意ください。 次亜塩素酸水は紫外線に弱いので、スプレーボトルなど遮光性のない容器に入れる場合は、アルミ箔を巻いておくと効果的です!

しかし保存方法が良くても、次亜塩素酸水の効果は時間が経つにつれ減少していきます。できるだけ早く使用していただくとより高い効果が得られます。

また容器の容量も関係があるようで、容量が多いものほど有効塩素濃度の低下が遅くなるようです。

 

次亜塩素酸水の使い方

 

1.手の除菌

以下の手順と方法で使用してください。
①手洗い: 洗い残しのないように洗って、ふき取り、汚れを十分取ります。
②除菌: ビシャビシャになるまでスプレーし、約10秒後ふき取ります。または、ビシャビシャにスプレー後乾くまで手揉みします。

 

2.机やドアノブの除菌

机やドアノブを除菌したい場合、表面が汚れてしまっていると次亜塩素酸水が汚れと反応して除菌力が低下してしまいますので、先に汚れを落としてから次亜塩素酸水で除菌を行ってください。その際、次亜塩素酸水は全体にかかるようにたっぷりご使用ください。

 

3.加湿器に入れて使用する場合

加湿器に次亜塩素酸水を入れるなど、噴霧して使用する際に注意点がいくつかあります。

■超音波式の加湿器の場合
次亜塩素酸水に含まれている塩分が微量ながら空気中に漂い、PCや電気製品の吸気口に入ったりして悪影響を及ぼす可能性があります。
PCなどの精密機器が稼働している部屋等でご使用される場合は、次亜塩素酸水を3~5倍程度希釈してご使用いただき、時々換気をしてください。

■気化式の加湿器の場合
超音波式のように薄める必要はありません。塩は気化フィルターに残るため、塩害の心配は無くなりますが、定期的に加湿器内のフィルター洗浄が必要です。
またどのような加湿器でも、次亜塩素酸水を入れて使用すると部品が錆びたり故障する可能性が高くなります。そのため1シーズンで故障してもいいくらいの安価な加湿器をご使用いただくことをオススメします。

製品評価技術基盤機構NITEによる噴霧に関する報道について

2020年5月末に製品評価技術基盤機構NITEより、次亜塩素酸水の噴霧は安全性の確認ができないため控えるようにと報道がありました。

しかし、『「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)』内に、次亜塩素酸ナトリウム液の噴霧に関することや、事故情報データバンクにおける健康被害の報告内に記載のある「次亜塩素酸」も次亜塩素酸ナトリウムのことであり、次亜塩素酸水ではないことも消費者庁に直接問い合わせて確認致しました。

資料内でも次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムを混同してしまうような内容があり、これをマスコミやメディアが次亜塩素酸水を噴霧すると危険だと、大きな間違えを報道しています。

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は大きく異なります。

弊社としては、他機関での検査結果や次亜塩素酸水に関する様々なエビデンスを基に、厚生労働省の規定の範囲内にある次亜塩素酸水であれば、安全性には問題ないと考えております。
しかし、今回の報道等により不安やご心配がある方は、噴霧の使用をお控えください。

噴霧について詳しく解説しているので、参考にしていただければと思います。